あなたは、1つの映画の反響で新しい法律ができたことを知っていますか。
そして、この映画上映後に事件再捜査が行われ容疑者に懲役8年に。
社会現象を巻き起こした、実話を基にした韓国映画「トガニ 幼き瞳の告発」
ここでは、私、すしとうちゃんの鑑賞後の感想、作品の基となった事件内容、映画公開前後の出来事をまとめました。
目次
感想（ネタバレ）
実話をベースに作られている作品ということで見るに堪えないシーンが多かったです。
冒頭から、精神的なダメージを与えられるような映像が続きます。男の子が電車に轢かれて亡くなってしまうシーン、主人公のカン・イノが鹿のような野生動物を車で轢き殺してしまうシーン。
ここで見るのを辞めてしまう人も多いのではないかと思います。
聴覚障害という耳が聞こえない人や軽度の知的障害の子が登場して、その子達が暴行を受けたり強姦されるのです。子供ってだけで社会的には弱者なのに、障碍者でもあるそんな子供達が被害にあうシーンは胸が痛くなりました。実際にあった事件をベースにしているんだという思いも重なり、すごく衝撃を受けました。
私にも娘がいますが、９歳の少女が強姦される映像に胸が痛くなり涙が出ました。ちなみに強姦シーンはカット割りを多くし代役を入れたりして子役たちにトラウマを植え付けない楽しい雰囲気で撮影を行ったそうです。DVDの特典で撮影シーンが見られるそうです。少しだけ気持ちが和らぎます。
校長先生役の方、チャン・グァンさんの顔が不気味です。（めちゃくちゃ失礼
この方は韓国で有名声優さんのようですが、この映画での顔の印象は最恐だと思います。
トイレのシーンで、壁の上から ヌーッ っと出てくる顔。
あの顔すごい怖いですよね。今でも思い出せます。実際に顔がトイレの上から覗いてたらトラウマになって法廷で顔見れなくなりそうです。
この方含め、悪役の演技も見た人たちの心を動かすほどの名演技だったこともあり映画公開後の社会現象に繋がったのだと思います。
法廷でのシーンは、いろんな既得権益が動きモヤモヤしました。大人たちは、自分の保身を考え子供達を守らない選択を行う。決定的な証拠の盗撮されていた動画でさえもみ消されてしまう。怒りが爆発して、すごい疲れてしまいました。
それと、ミンスくんの「僕が許してないのに～～」のシーン
自分の知らないところで物事が進んで、暴行を行い弟を死に追いやったパク先生が罪を問われないって聞き悲痛な叫びを上げるあのシーン。やるせなさすぎて胸が張り裂けてものすごく痛かったです。
ミンスくんのどこにも逃げれないドロドロに熱せられた感情。
まさに題名のトガニ（るつぼ）状態だと感じました。
視聴後は、すごい気分が落ちます。トラウマ級に胸糞です。韓国では上映中にスクリーンに靴を投げる客もいたそうです。笑
この作品を鑑賞したら、その気持ちすごくわかりますよね。そーでもしないと最後まで鑑賞できないですよね。
韓国映画好きすぎる私ですが。つくづく韓国映画の凄さを痛感しました。社会を変えられる映画って凄すぎます。韓国映画「殺人の追憶」では未解決事件だったファンソン連続殺人事件の犯人が2019年に判明しましたね。
作品自体の素晴らしさはモチロン、社会を変えた映画の凄さを味わってほしいです。
作品の基となった実際の事件
2000年から2005年にかけて、韓国光州のろう学校にて事件が発生していました。
教師達による生徒への暴行。強姦。
校長を含む加害者6人。被害児童は9人もいました。（当時7歳～22歳）
日常的に教師による生徒への暴行などが常習化していたと思われます。
2005年4月には、事務室長が学校の事務室にて、被害生徒の手足を縛り付け性的暴行を加えた事件が発生した。被害生徒は当時18歳で言語障害と知的障害の方でした。
それを目撃した男子生徒（当時17歳）に対して鈍器で殴打するなどの暴行も行ったそうです。映画のシーンで再現されていましたね。
そして、児童の一人が教師に相談し、その教師が内部告発を行い事件が明るみになった。
2005年にテレビがこの事件を報道を行いました。大きな反響があり警察も動き裁判となりました。
しかし、起訴できたのは加害者6人のうち4人だけでした。
裁判が行われましたが4名とも軽い刑を言い渡されただけとなります。
校 長・キム氏：懲役2年6ヶ月、執行猶予3年(のちにガンで死亡)
行政室長・キム氏(校長の弟)：懲役1年(実刑)
保健教師・パク氏：懲役10ヶ月、執行猶予2年
保健教師・イ氏：懲役2年6ヶ月の(実刑)
教 師・チョン氏：示談成立で不起訴
行政室職員・キム氏：証拠不十分で不起訴
出典：韓国映画ジャーナル Nowa!
映画公開前後の出来事
小説家、俳優、監督の心を動かし映画公開までたどりついた
地元新聞記事で、裁判結果が非常に軽い刑の判決が下っただけ。その判決時の傍聴席から聴覚障碍者達の悲痛な叫びが法廷内に響き渡ったと掲載された。
この記事をたまたま見た作者で小説家のコン・ジヨンは、この事件を風化させてはいけないと思い小説の執筆を行ったそうです。
そして、主人公カン・イノを演じたコン・ユは、兵役中に進級記念として指揮官から、トガニの小説をプレゼントされ映画化しなくてはならないと感じたそうだ。
映画監督ファン・ドンヒョクも5，6年たってもいまだに何も解決していないことを知り、映画化しなければこの事件は永遠に葬り去られると思い映画の製作を行ったそうです。
映画公開後に、460万人の観客動員。事件の再捜査が行われる。
事件の再捜査
韓国で映画が公開されると、460万人もの観客を動員し社会現象を巻き起こしました。
世論を動かし事件の再捜査が行われました。
当時不起訴となった事務室長を起訴し最高裁まで裁判が行われ、
懲役8年、電子足輪10年、個人情報公開10年の判決を受けます。
電子監視（でんしかんし）は、犯罪者などを在宅拘禁する際に自宅にいるかどうかを電子的に監視すること、また性犯罪を犯した前歴者が社会に出た場合にGPSを利用して監視することをいう
出典：ウィキペディア フリー百科事典
法改正
トガニ法が制定される。
障碍者や13歳未満の者への性的虐待を厳罰化、そして公訴時効の廃止が決定した。
映画でのミンスくんのように示談金を保護者に支払われ告訴を取り下げられる行為ができなくなったようです。
この映画の凄さを再度痛感しました。
視聴方法
プライムビデオ（Amazon prime video）
2022年8月現在
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U-NEXT
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